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第45回出張工房&ワークショップ「ユラリト」展のおはなし
 外はこの夏一番の猛暑日。
ひょっとして、頭のてっぺんから溶け始めているんじゃないかしら?
そんな冗談さえ本気にしてしまいそうな陽射しの中、
SAKKA no ZAKKAへ逃げるように駆け込むと、おや?
いつになく、店内がひんやりと涼しげではないですか・・・

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お出迎えしてくれたのは、木曜日から出張工房でお店にいらして下さっている、
ガラス作家のユラリトさん、そして目にも涼やかな作品たち。
そして、今回は「お箸置き」のワークショップをご用意頂きました。

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「ガラスの箸置き」と聞いて、
以前に海音さんのとんぼ玉の出張工房を見学したことがあった私は、
ガスバーナーでガラスを溶かしたり、細いガラスの棒で絵を描いたりするのかしら?
素人には、やっぱり難しいものかしら?
などと心配していたのですが、その心配はまったくの無用でした。

ユラリトさんが予めご準備下さった、上の写真のような透明の薄いガラス板の上に、

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ガラスカッターで細かく砕いたガラスのカケラを思うままに乗せ、
専用のフュージングのりで接着します。(そのまま一晩置きます。)
後はユラリトさんが自宅に持ち帰り、アトリエの釜で焼き、
完成した作品を自宅まで郵送して下さるのです。

まるでこれ、透明なパレットに、色とりどりのガラスで絵を描くみたいじゃないですか?

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このカラフルなデザインの箸置きは、前日にワークショップに参加して下さった、
小学生のお子さんの作品です。
見ているだけで元気が貰えそう。食卓も華やいで、ご飯も美味しくなりそうですよね。

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焼きあがった箸置きは、熱が加わることで、とろり、ほど良く角が取れ、
このような可愛らしい趣へと変化します。

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これなら、私にも出来るかも!?
早速、ユラリトさんのご指導の下、ガラスパーツを組み合わせてデザインを描いて行きます。
私はバラの花をモチーフに選びました。

「濃いピンク色のガラスが一番お値段が高いんですよ。」

ユラリトさん曰く、ピンク色と言うのは、ガラスの中では一番出し難い色なのだそうです。
まったく知りませんでした。大切に大切にお花のセンターに飾ります。

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デザインの完成後、フュージングのりを丁寧に垂らし、一晩置き、固定させます。
後はユラリトさんに焼いて頂き、完成を待つばかりです。
でも、何だか、このままでも既にとても可愛らしくて、眺めているだけで
気持ちがほっこりして来ます。
どんなお料理と、どんな仲間達と、この箸置きを囲もう・・。
そんなことに考えを巡らせているだけでも、とても幸せな気分になります。

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ワークショップ終了後、ユラリトさんがぽそっとこんなお話をして下さいました。

「私自身、モノは増やさず、少なく、シンプルに暮らしたいと思っているんですが、
こんな風にモノを創る仕事をしていると、
ひょっとして創ること自体が"消費"なのかな?って思うことがあるんですよ。
ほら、今って、"断捨離"なんて言葉がブームになってるでしょう?
ガラスってお野菜とか食べ物と違って、これが無いと生きていけないってものでもないし。
時と場合によっては、必要無いことだってあるでしょう?
そう考えるとね、これでいいのかなあ・・って思うときもあるんです。」

-これ。
モノを創っておられる方でしたら、一度は自問自答するテーマではないでしょうか?

私は、ユラリトさんからこのお話を伺った時、「モノの価値」と言うキーワードを
頭に思い浮かべていました。
例えば、このところ、値段が高騰し、売りが先行していると言う「金」のこと。
「金」は、時代背景や経済事情を問わず、"価値が変わらないモノ"として、
その所有価値を保証されている物品ではあるのですが、
果たして本当にそうなのでしょうか?
テレビなどで、何時間もかかって所有している「金」を売る順番を待っている人々の映像を
見る度に、私はある種の違和感を感じずにはいられないのです。
確かに「金」の価値は変わらないし、それ相当の「貨幣」と交換されるのでしょう。
けれど、鑑定士の前に山のように積まれた、指輪やアクセサリーの数々は、
どこか無機質で無表情に思える。それが誰かにとって、
かつて「価値」があったものなのか、それとも最初からなかったものなのか、
まるで見えて来ないのです。
「金」で「金(かね)」をはかることは、夢の中で覚めても覚めても
まだ夢の世界を彷徨っている所在なさと、
どこか似かよっているように思えてならないのです。

今日、私が創った箸置きは、どこかの鑑定士に鑑定して頂いたのなら、
恐らく一銭の価値にもならないものでしょう。
けれど、私にとっては、時代が変わろうと、経済事情が変わろうと、
その価値は変わらず、ずっとずっと手元に置いて大切にしたい品となるはずです。

そして、そう言った意味での"価値が変わらないモノ"を生み出す
モノ創りをする方達を、これからもひとりでも多くご紹介し、応援して行きたい、と
今日、改めて、強く思いました。

ユラリトさんは、八王子みなみ野のご自宅アトリエでも、
ワークショップやお教室を不定期に開催しています。
ご興味のある方は、ぜひユラリトさんまで、お問い合わせ下さい。

ワークショップは20日、土曜日まで開催しております。
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by sakkanozakka | 2011-08-18 19:12
第45回 出張工房&ワークショップ「ユラリト」展(予告)
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8/17(水)~8/20(土) 10:00~17:00(初日のみ12:00~)

ちょっぴりノスタルジックなユラリトのガラス小物展。
ご自宅のアトリエショップからの出張です!


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期間中はワークショップも開催します(各日12時より)♪
夏らしいガラスのお箸おきを5膳分、ぜひトライしてみて下さい!

〈時 程〉12:00~16:00(所要時間15~30分)
〈講 師〉ユラリト
〈費 用〉1800円(材料費、窯代、送料込)


このワークショップは予約不要です。
  尚、作品は窯入れ後、 後日発送させていただきます。
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by sakkanozakka | 2011-08-09 17:06
第44回 出張工房ワークショップ 「~シュワッと百色~」のおはなし
 本日は、今回で4回目となる、佐々木染子先生のカラーワークショップ、
「~シュワッと百色~」が開催されました。
染子先生のワークショップの最大の特徴は、当日、まさにワークが始まるその瞬間まで、
内容の全貌が全く予想出来ない、と言うこと。
それ故、毎回ドキドキ感たっぷりで始まり、終る頃には、その日、
創った作品以上の"何か"を参加者全員が心に刻んで持ち帰ることが出来る・・
そんな贅沢なワークショップなのです。

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机の上には、袋に入った小さな折り紙のような束と色紙が積まれています。

「では、そろそろ始めましょうか・・・・、と、その前に・・・今日は"感覚"がテーマですから・・」

そう言うと、染子先生、徐に、何やら手元のバッグをゴソゴソとし始めました。

「"味覚"と言う感覚も、すごく大切ですからね・・・」

なんと、先生が取り出したのは、昔懐かしのラムネソーダ!
ひょっとして、今回のワークショップのサブタイトル「~シュワッと百色~」の"シュワ"って、
このことだったんですか?

「ふふふ、そうなんですよ。」

今日も外は、うだるような暑さが続いています。
先生の嬉しいお心遣いに参加者全員が大感激。
静かな店内に、ラムネのびー玉が弾け、泡沫の涼やかな音色が広がりました。

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すっかり、日本の夏を満喫した参加者全員でしたが、いよいよ、これからが本番です。
袋に入っていた小さな折り紙のようなものは、実は和紙だったのでした。
それも、きっちり100色あります!

「何をどう組み合わせても、手で切っても、ハサミで切っても、何をしても自由なので、
これをのりで色紙に自分が満足するまで貼ってみて下さい。
頭で考えず、思うがままに!」

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今だから告白しますが、ちょうど1年前の夏。
染子先生のワークショップに初めて参加した私は、この「何をしても自由」や、
「思うがままに」と言う言葉に、ひどく戸惑うばかりでした。
普段、当然のことながら、制限の多くある日常に身を置いている間は、
「自由になりたい」、「思ったとおりにしてみたい」などと、フツフツと考えていたのですが、
いざ、自分の思い通りになる「自由」を得てみると、それを持て余す自分がいるのです。
「自由って怖い」。(少なくとも、私の中で、そう「自由」を定義している自分がいる。)
それが一番最初の染子先生のワークショップで得た、私の気づきでした。
とても悲しかったし、自分を不自由にしていたのが、他でもない自分自身であることに
気づかされたことは、とてもショックでした。

ですが、1年経った今日。「さ!これからの時間を楽しもう!」
そう思えるようになった自分に出会えたと言うことは、大きな前進なのかも知れません。

誰もが言葉にこそしませんが、胸の奥、様々な想いを抱き、時には葛藤し、迷い、
自分の心の声と対話をしながら、黙々と目の前の色紙と向き合っていました。

ぴりぴり・・・と言う和紙の千切れる音。千切れた先に萌え出でた、綿毛のような紙の繊維。
筆を通してでも伝わって来る、のりのすべらかさ。
一息入れるたび、喉をくすぐるように潤す、ラムネの気泡。

そう言った普段、意識しなければ眠ったままになっている感覚に
カラダもココロもどんどん開かれてゆくのでした。

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小一時間ほどした頃、ひとり、またひとり、と、作品にOKを出し始めました。
同じ素材、同じ時間、同じラムネ?を持っていた私たちでしたが、
完成された作品の、バリエーションに富んでいることと言ったら!
そして、どの参加者の顔も、どこかゆったりとして、満足気に見えるのでした。

ひとりずつ、作品を創っている時に感じたこと、考えていたことなどを
シェアしたのですが、無意識であれ、そこにはその人の「心ばえ」が
ちゃんと投影されていて、興味深いものでした。
(私の作品は、左下。いつの間にか「雨と紫陽花」を描いて居りました。
最近の猛暑に、涼しかった雨の季節が恋しくなったのと、
今年はあまり撮れなかった紫陽花に未練があったのかも・・・)

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ちなみに、上の写真の作品は、染子先生ご本人のものです。
なんと!100色!全てお使いになっているのですよ。
そして先生から、ご自身の作品に関して非常に面白いお話が・・・・

「赤だとか黒だとか、強めの色や好きではない色を、
下に、下に、隠してしまいたくなったんですよね。
逆に、好きな色は長く切って表に貼ったりして・・。もしかしたら、
自分の中のマイナス的な面もそうやって上手く隠そう、隠そうとしているのかも・・
なんて、今日は創りながら考えていました。」

先生のその話を聞いた時、ふと、自分はどうだろう?と振り返ってみたのです。
私の場合、先ず、好きな色を早々に選び、苦手な色には関心さえも持たず、
呆気なく除けていた気がしました。
方や、全ての色を、一旦受け止め、葛藤しながらも作品に取り入れた染子先生。
もちろん、正解はないのですが、これには結構考えさせられました。

その話の流れから、店主のほしのさんがひと言。
「誰かが答えを出してくれるのは楽ではあるけれど、
何が何だかワカラナイと思ったことを、ワカラナイ自分のままで見つめる時間って
実はすごく大切なんだって、最近思うようになったんです。」

「そうね、誰かから与えられた答えは、最初は良くても、最終的には違和感を感じるから・・。」

染子先生の言葉の後、一瞬、その場が短い沈黙に包まれました。
ひとり、ひとりが、心に課題の種を蒔いた瞬間でした。

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染子先生のワークショップには、正解や、答えはありません。
寧ろ、「どうしてだろう?」と心に一石投じられ、
後からじわじわと想いが湧きあがってくることが殆どなのですが、
それでも、この、「ワカラナイをワカラナイままの自分で見つめる」時間を
大切にして行くことで、いつか「ホンモノ」に出逢える、そんな気がしています。
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by sakkanozakka | 2011-08-09 15:20



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